事務所ニュースNo.296 2019.8.1 TOPへもどる 前号 次号

消費税:いよいよ始まる?複数税率

◎軽減税率の範囲
 今年の10月から消費税率は10%に増税をされる予定です。10%以外の8%に据え置かれる(軽減税率)対象には「酒類・外食を除く飲食料品」とされています。「飲食料品」とは、人の飲用または食用に供される米穀や野菜、果実、食肉、鶏卵、魚類、麺・パン・菓子・飲み物など、いわゆるスーパーなどの食料品売り場で販売されているものといえます。しかし、酒類などはこれには含まれません。仮に、食肉を購入しペットフードに供したとしても、販売をする事業者が人の飲食用として販売をしたのであれば軽減税率の対象にはなります。

◎水道水は?
 水の販売では、いわゆるペットボトルの飲み物は「飲食料品」に該当をします。水道水をペットボトルに詰めて販売する場合も該当ですが、自宅で使用する水道水については、飲み物としても供しますし風呂や洗濯などにも供するなど、混然一体として供給をされているので、残念ながら軽減税率の対象にはなりません。

◎自動販売機は?
 自動販売機での飲み物や食品については、人の飲用または食用に供されるものですので、軽減税率の対象となります。
(お酒の自動販売機は除く)
(本則課税で申告をする方は、自動販売機での買い物の消費税に注意します)

◎酒類なのか飲食料品なのか?
 注意するのは、みりんや料理用酒です。確かに飲食用に供するものですが、酒税法に規定する酒類の該当する場合は軽減税率の対象にはなりません。みりん風調味料は、酒税法に規定されているものでない限り軽減税率の対象になります。
(ノンアルコールのビールなどは、軽減税率)

◎外食 or 持ち帰り?
 ハンバーガーなどの外食も持ち帰りもある場合の扱いについては、店内で飲食をするのか持ち帰りをするのかで、軽減税率の対象かどうか分かれてくるところです。外食には、軽減税率が適用されません。ハンバーガー店の店内やコンビニのイートインでの飲食は外食となり、軽減税率対象外となります。販売をする事業者にとっては、店内での飲食と持ち帰りの二重価格になり面倒なことになりますが、実際には持ち帰りの場合は、容器代も加算をされ税金は軽減税率だが支払金額は店内も持ち帰りも同一金額になるものと思われます。
 宅配ピザやソバなどの出前については、外食には当たらないので、軽減税率となります。一方、ホテルの会議室などにおいて、ホテルのテナントであるレストランが飲食料品を提供などする場合は、軽減税率の対象とはなりません。

◎週2回以上発行される定期購読の新聞購読費も軽減税率の対象です。

【消費税増税の準備】
 10月より消費税が10%になったときに慌てないための準備が必要です。今回の改正では、消費税率引き上げと同時に軽減税率の導入の2点が求められます。軽減税率の対象は、①酒類及び外食サービスを除く飲食料品の譲渡、②定期購読契約の週2回以上発行される新聞が該当することになります。また、軽減税率導入に伴い仕入控除の要件として保存すべき請求書等(領収書含む)についても改正がされています。

*軽減税率も取り扱う免税事業者の場合、発行する請求書等には以下の事項の記載が必要です。
㋑書類の作成者の氏名(名称)
㋺課税資産の譲渡等を行った年月日
㋩課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減税率対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡である旨
税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額
㋭書類の交付を受ける者の氏名(名称)

*軽減税率の対象となる商品がない事業者が発行する請求書等
上記の㋩の軽減対象資産の譲渡である旨の記載は不要。これまでと同様に課税資産の譲渡等の対価の額(税込)の記載があれば、結果的に「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額」の記載があるもとされます。

久しぶりに拝見 小学校教科書

教科書採択のための展示が行われています。
 市立図書館に行くと小学校教科書が展示されていました。来年度に使用する教科書の採択のための展示とのこと。
 教科書の採択とは何か調べてみました。「教科書の採択とは、学校で使用する教科書を決定することをいい、その権限は、公立学校で使用する教科書は、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあり、国・私立学校の場合の採択の権限は校長にある。」(文部科学省:教科書採択の方法より)とされています。教育委員会の役割は、子どもの未来にとって非常に重要だと改めて気づかされます。
 教科書を手に取ると、同一学年の同一教科で上巻と下巻に分かれているものも目につきます。聞くところによると、小学校の6年間で使用する教科書のページ数も10%増しとなっているとのこと。小学生のランドセルの重さが話題になったこともありましたが、このままではますます重くなり子供たちの負担も増すことになりそうです。限られた授業時間の中で教えることも多くなり、先生や子供達の悲鳴が聞こえてくるようです。先日ラジオを聞いていたところ今年の夏休みは、前の年より短くなるそうです。冷房の設置も進んだこともありますが、教える教科の内容に比べて授業時間が足りないこともその原因の一つのようです。
 教師も大変で、毎月の残業時間が150時間の先生もいると聞いて、本当に大変な職業であると思います。ゆとり教育はいったいどこに行ってしまったのでしょうか?
 また、来年度からはいよいよ「英語」が3年生から必須教科になります。小生は、中学から始めた英語教育ですらついていくことがやっとの状態。小学生で覚えなければいけない単語も相当数あり本当に大変だとおもいます。また、指導する教師も自身の英語力が問われることになり、その準備も含めてさらなる長時間労働になるのではと心配をしてしまいます。
 道徳の教科書も拝見しましたが、「愛国心」「憲法改正」「原発」などもちらほらと登場、安倍首相の発言と併せ考えると、何か違和感を覚えます。感想を書く用紙がありましたので、一言教育委員会あての意見を投書してきました。

(吉田)

暑中お見舞い申し上げます
暑さはこれからが本番です
くれぐれもご自愛ください



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