前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第四話 ゼロから出発の税理士事務所()
 
 1973年2月には、戦後その時まで、対ドル為替レートは、1ドル360円の固定相場制だったのが、変動相場制に移行し、一挙に20%以上も円高にぶれる事になった。
 続いて同年10月、アラブ諸国が原油生産の削減を決定。世界の石油資源は、もう30年程で枯渇すると言う意図的な宣伝も流布されて、諸物価が一挙に上昇。
 トイレットペーパーの買占め騒動も起きた。これをオイルショックという。
 
 中小企業は、原料高と経費の高騰で採算割れし、倒産が続出した。
 長崎事務所の顧問先も、3・4件が倒産。私は、会社の依頼で債務の整理に当たり、債権者会議に出席して説明するなど、無償を厭わず対応に当たった。
 事務所も経済的には打撃を受けたが、顧問先の危機に体当たりで誠心誠意つくした事での、精神的な繋がり、得られた信頼の重みは貴重なものだったと思う。