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復興財源確保のために消費税増税は疑問

 3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故は、戦後最大未曾有の危機です。被災地の救援と復興には国家的プロジェクトによる巨額の費用が必要です。そんな中で、3月31日2011年度予算案が参議院での反対もありましたが、自然成立しました。大震災での災害損失は16兆円から25兆円との見積もりも出ていますが、予算案は、負担義務の無い米軍思いやり予算(1,858億円)、京浜港や阪神港をスーパー港湾とするための総額5,500億円(11年度327億円)の整備費、政党助成金320億円などの予算はそのままです。
 政府に法人税率の引き下げを強固に迫ってきた日本経団連の米倉弘昌会長でさえ「高速道路無料化などの民主党が公約として掲げた政策の見直しが必要。法人実効税率の引き下げも検討対象になるだろう」(3月24日日本経済新聞)といわざるを得ない状況となっています。
 一方、予算の財源確保のための2011年度税制改正法案(法人の実効税率を5%引き下げ、給与所得控除の改定、成年扶養控除の一部廃止、相続税の増税、消費税事業者免税点制度の見直し、株式配当や株式取引の税率を本則の20%へと戻すことなくさらに2年間10%の軽減税率を維持、国税通則法の大幅改定などなど)の年度内成立は見送られましたが、今国会会期内の成立に向けさまざまな動きが出てくると思われます。すでに復興支援財源として、「消費税率の引き上げ」などの声が財界から上がりつつありますが、「復興財源確保のために消費税増税」は被災者に2重3重の負担を強いることになりむしろ復興の妨げになるのではないでしょうか。今すぐできることは米軍思いやり予算や政党助成金、スーパー港湾整備など不要不急の予算を削減し、大震災と原発事故の復興と救援のために回すことです。また、大企業がため込んできた244兆円といわれる内部留保を復興のために有効に活用するため政府が主導していくことではないでしょうか。



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