事務所ニュースNo.280 2016.10.7 TOPへもどる 前号 次号

通則法改正後 税務行政・強権化の傾向
東京税財政研究センター 第23回 総会開催

 東京税財政研究センターは8月26日、東京都文京区において第23回 通常総会を開催しました。
総会では国税通則法改正(平成25年1月施行後)は、 “調査手続きが法制化された点では一定の前進” と評価しましたが、この2年半の税務調査の実態を見ると、納税者の事業所などに臨戸をして調査を進める「実地調査」以外の調査(*税務署に呼び出しての調査やお尋ね文書による調査)として顧問税理士への調査通知を無視したり、国税通則法が規定している「再調査の禁止」の適用除外への道を開くなど、改正国税通則法を課税庁の都合の良いように解釈した調査事例がしばしば見受けられると報告されました。
 例えば、「質問応答記録書」作成の強要、虚偽に近い応答記録書を作成し、「申告は7年遡求をして修正。加算税は重加算税」など、納税者を恫喝して課税したとしか思えない調査事例も報告されました。
 一方で、世界を揺るがした「パナマ文書」にみられるように大企業や一部資産家の「合法的?租税回避行為」が明らかになるなど、税負担の不公平感はますます広がっていることが報告されました。
 東京税財政研究センターはこのような情勢の中、「この1年間の活動を総括し、センターの調査能力をフルに発揮して税務行政の民主化、税の公平、応能負担の原則を求める」研究活動を一層強めていくことを確認し、11月14日に秋の公開講座「変化する税務行政を読む」を開催することを決めました。
 なお、センターの理事長には町田税経センターの永沢晃税理士が再任をされました。

28年度税制改正による加算税制度見直し

税務調査の事前通知後の加算税制度の創設=罰則強化

◆現行法 ⇒ 「調査があったことにより更正または決定があるべきことを予知しないで、修正申告をした場合には、過少申告加算税は課さない、期限後申告(当初申告が期限後の場合の修正申告を含む)をした場合の無申告加算税は5%に軽減」するとしています。すなわち税務調査の連絡を受けたが、まだ税務職員の調査開始前に修正申告または期限後申告を提出する時の加算税は、上記の加算税不適用または軽減措置が適用されることになっています。

◇改正法 ⇒ 「税務調査の事前通知後でかつ当該調査があることにより更正または決定があるべきことを予知する前になされた申告について、過少申告加算税は5%(加重部分10%)、無申告加算税は10%(加重部分15%)とされました。

短期間に繰返し行われる無申告又は仮装・隠蔽の場合の加算税の加重措置の創設

◆現行法 ⇒ 無申告加算税15%(加重部分は20%) 重加算税35%(無申告加算税にかかるものは40%)であり、仮想・隠ぺいの回数にかかわらない

◇改正法 ⇒ 過去5年以内に、無申告加算税(調査に係るもののみ)または重加算税を課された者が、再び無申告または仮想・隠ぺいに基づく申告書の提出をした場合は、それぞれの加算税を10%加重することとされました。

【これらの改正は、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するものから適用されます。】

国民年金滞納者への強制徴収を強化

厚生労働省と国民年金機構は、国民年金保険料滞納者への強制徴収を強化することを決定しました。

■強制徴収の対象者
2015年度まで…所得基準400万円以上の者
2016年度以降…所得基準350万円以上・未納月数7ヵ月以上
2017年度以降…所得基準300万円以上・未納月数13ヵ月以上

■強制徴収までの流れ
保険料の滞納
 ↓ 文書・電話・個別訪問で督促
 ↓ 未納・無視
最終催告状
 ↓ 未納・無視
督促状
 ↓ 未納・無視
強制徴収・財産差し押さえ

国民年金は厚生年金や共済年金に加入している会社員・公務員を除く、20歳以上60歳未満の国民全員に納付の義務があるが、厚労省が発表している納付率は60%(実質は40%)程度となっています。
納付率が低いのは、国民年金制度が国民から信頼されていないからでは? 滞納処分を強化する前に、信頼される年金制度にすることや年金保険料の運用で5兆円もの損失を出していることの政策見直しが必要ではないでしょうか。



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