事務所ニュースNo.281 2016.11.8 TOPへもどる 前号 次号

税務調査事例を中心に!

全国税制懇話会秋季全国研究集会に参加

税をめぐる情勢を報告する青木理事長  パナマ文書や、舛添前都知事の税金の使い方、オリンピック予算など、税をめぐる問題が大きな関心になっています。また、税務調査においても納税者の不知に付けこむ税務調査や、税金や社会保険料の滞納など調査や滞納をめぐる問題が深刻化してきています。
 そのような税に対する関心の高まりの中で、全国税制懇話会(永沢税理士・吉田税理士所属)は、「2016年秋季税制懇全国研究集会」を10月16日・17日と開催しました。集会に先立ち行われた税制懇全国理事会で、当事務所の永沢税理士が引き続き理事に選任されました。

○「事例を中心とした租税法 通達の解釈を考える」と題して講演をする山本守之税理士
租税の賦課、徴収は必ず法律の根拠に基づいて行われなければなりません(租税法律主義)。
しかしながら、現在の税の実態では、法律でもない「通達」が幅を利かし、通達で課税要件を規定するのが当然とする考えがありますが、これは先の「租税法律主義」の立場からは全く相いれないものです。
租税法律主義に係る事件では「武富士事件」があります。この事件は租税回避行為により多額な贈与税を免れたものですが、このような行為に課税ができないことに対して違和感を感じえませんが、最高裁はその判決の中で、「租税は国民に義務を課するものであるところから、租税法律主義の下で課税要件は明確なもので、これを規定する厳格な解釈が要求される。…略…立法によって解決を図る」としています。通達により課税庁が課税要件を一方的に決める現行の通達至上主義には、疑問を持たざるを得ません。

○マイナンバーをめぐる問題
今年より各種行政手続きにマイナンバー(個人番号)の使用が求められる事になりました。
公務員においては、その身分証明書にマイナンバーカードを利用するとしていますが、未だに身分証明書は旧来のものです。税務署の窓口では、マイナンバーの確認もなく従前と同様な取扱いです。マイナンバーが納税者と公務の職員双方にとって必ずしも有効なものではないことの証ではないでしょうか。

○所得税実務に役立つケーススタディを講演する岡田税理士
贈与をする行為ひとつとっても相手が法人か、あるいは個人なのか?時価と比較をして低額譲渡に当たらないかどうか?等々、様々なことを検討しなければなりません。
その行為により所得税、贈与税、法人税あるいは非課税など課税の違いを分かりやすく解説されました。

*地震、台風や噴火など今年は例年になく被害が報道されました。
実際に被害にあった時の税務上の措置は?

 所得税法では、災害などの場合の措置を雑損控除として定めています。
具体的には、納税者又は納税者と生計を一にする配偶者その他親族の有する資産(生活に通常必要でない資産は除く)について災害、盗難、もしくは横領による損失を受けた場合は次の算式による金額を所得控除できることになっています。
算式(① か ② いずれか多い金額)
① (損害額−保険など補てん金)−(総所得金額等×10%)=控除額
② 災害関連支出の金額−5万=控除額(災害関連支出とは、災害により損壊をした住宅や家財などの取壊費用や除去費用など)
 災害による損害額が、その住宅などの時価の50%以上の場合は、災害減免法の基づく減免措置が申請できます。雑損控除とダブルでの控除は不可、所得金額の制限有りなど一定の条件があります。詳細は当事務所にご相談ください。
(シロアリによる被害も雑損控除に該当します)



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