前代表社員長崎真人自分史
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第一部】第五話「台湾芝居と爆竹と豚の丸蒸し/台湾の豊かさの根源」(
 
 問題は、この豊かな資源を誰がどうやって開発したかについて、日本の「植民地政策」の功罪に関わる相反する議論がある事です。

 「確かに日本はひどい事もやったけれども、台湾の開発、経済社会の近代化に尽くした功績も大きかった」「台湾を作ったのは日本人だ」「日本人は胸を張ってよい」と言う意見があります。最近特に、そのような主張を見ます。

 私は、この主張に組する事は出来ません。

 
 第一に、日清戦争の獲物として台湾を手に入れたのは、欧米列強に伍して急速に帝国主義への道を進み始めた日本にとって、対岸の中国ににらみを利かせ、更に、東南アジアから南太平洋へ版図を拡大する「図南の飛石」として極めて重要であったからであります。台湾の植民地経営に力を注いだのも、その意図に基づいたもの以外のものではありませんでした。

 事実、太平洋戦争に至るその後の軍事戦略のすべては、台湾を抜きにしては成立しなかったでしょう。