前代表社員長崎真人自分史
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第一部】第十三話 憧れの台北高校へ(
 
 先輩たちは、学究的で超然としたムードを持っており、同僚も夫々に選ばれてきた秀才揃い、寸暇を惜しむ勉学の傍ら人生論に花を咲かせ夜の更けるのも忘れる事が度々であった。

 学校の勉強も夢の如く素晴らしかった。どの教授も夫々に優れて個性的で、講義は魅力に溢れていた。戦後大分経ってから知った事だが、台北高校には、当時の内地の厳しい言論・教育の統制に満たされなかった優秀な教授たちが、渡台し南国の植民地特有の空気の中で、比較的自由な研究・教育に携わる事が出来ていたようであった。

 私は、高校生活の総てを満喫し、熱中し酔っていた。
 
第13話 憧れの台北高校へ
台北高校同窓入学記念・後列中央が筆者