前代表社員長崎真人自分史
目次へ 前のページへ 次のページへ
第三部】第六話 レッドパージの嵐の中で()
 
 今に至る憲法違反・米国従属の軍事大国化、さらに今急速に問題化している憲法の根本的書換えの策動も、この年に始まった。

 開戦前夜、日本共産党の幹部と国会議員を公職から追放し、アカハタはじめ民主団体の機関紙の殆どが発行禁止になった。
 これと引き換えに、1万人にも及ぶ大量の戦争犯罪人を釈放し、政治・経済・マスコミ等の第一線に復帰させた。これが基本的な日本の権力機構を構成して今に至っている。

 そして、労働戦線では、GHQの直接の指示で、反共的な労組幹部を育成して、組織を分裂させ、主導権を奪う工作と併行して、官公庁と主要企業の職場から総数1万2千名に及ぶ、共産党員とその同調者と目された労働者を追放する「レッドパージ」が強行された。
 
 東京東部では、日立亀有・亀戸両工場、汽車会社、ライオン油脂、石川島造船等、大企業のすべてで火の手が上がった。
 私は、新任早々、連日、民青の青旗を担いで、これらの工場を駆け巡り、息つく暇もなかった。