前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第六話 レッドパージの嵐の中で()
 
 荷台の内側に逮捕者を立たせ、外側に警官が壁を作り、トラックが走り出すと、私は大声で叫んだ。「ヨーシみんなでインター歌おう!」と。

 間もなく月島警察署に着き、2階の板敷きの広間に上げられた。ぐしょ濡れの身体で警官隊も逮捕者も一緒に薪ストーブを囲む形になった。
 若いおまわりがホッとしたような表情で、「いやぁ威勢が良かったな、怖かったよ」と言った。如何にも本音らしかった。
 
 数えると逮捕されたのは12名だった。我々以外は巧くすり抜けたのだろう。1時間ほどで手配ができたようで、月島・銀座・築地の3箇所の警察署に分散して留置される事になった。
 私は他の2名と共に築地警察署に送られる事になった。