前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第八話 諸々の社会的活動に参加(10)
 
指導部長として、事務所共同化を提言
 税理士は、納税者、特に中小企業の経営者の身近な相談相手となる役割を担っているが、同時に自らも個人経営の事業者として、経済社会の変動にさらされ、大企業本位の競争原理に支配されつつ、事務所経営を維持し発展させる困難に日々直面している。
 私は、指導部長の職について早速、個人経営の事務所が抱える問題について、アンケートを実施して、会員の実態と意向を調査した。その結果を集約し、問題点を整理して見て、個人事務所の生き残り戦略として、協業・共同化を進めることが是非とも必要だと考えた。
 

 そこで、全会員に呼びかけて、協業・共同化問題を語り合う懇談会を開催した。当初30人余の会員の参加を得た。ほぼ3人に1人の割合だ。それだけ関心の高さが伺えた。だが、実際に共同化を進める段になると、話はそう簡単ではなかった。思いのほか、税理士の「一匹狼」根性の強さに行き当たった。加えて大事務所を経営するボス的存在から隠然たる圧力を加えられた。数回の会合を重ね、意見交換を進めるうちに、30人が3人になり最後は私1人になった。