前代表社員長崎真人自分史
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第二部】第三話 第二の故郷 農林省農事試験場鴻巣試験地へ()
 
 稲刈り機研究室は、後に筑波大学教授になった江崎春雄氏を中心に、わが国初めての独自の稲刈り機の開発に従事し、実用化にまで至っている。

 現在、日本の農村の何処でも見られる、稲刈り機・小型コンバイン(稲刈り・脱穀・結束・包装までの一貫作業をこなす)が走り回る稲刈り風景は、この研究室が生み出した成果。
 耕運機・田植え機の普及と共に、古代から続いていた水稲栽培の、腰を曲げ泥田を這いずり廻るような重労働を、過去のものとして一掃した、革命的とも言うべき役割を果たした功績は大きい。
 
 このくだりを書く段で、私は、色々調べ直す中、インターネット上ではじめて、去る1月27日(2004年)の江崎氏の死去を知った。

 終戦間もなく、物資乏しい時代に、手作りのテスターで基礎研究から始めた、当時の研究室の風景が走馬灯のように脳裏を走った。私は何も出来なかったけれども、この研究室にいた事を誇りに思う。
 謹んで江崎氏のご冥福を祈ります。