前代表社員長崎真人自分史
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第二部】第七話 「常任になる気はないか」と問われて?・・・()
 
 話を元へ戻そう。中年の同志の問いかけに応えて、私はきっぱりと言った。
 「共産党員になったからには、求められれば何時でも職業革命家になる決意を持つのは当然でしょう」と。
 彼は、党本部の同志から誰かを推薦するように求められていたようだった。私の態度を見て早速に党本部に私を採用する手配が始められたようであった。
 兄は、私の行き方に幾分の懸念を感じていたようであったが、理論的には、私を思いとどまらせる事はできなかった。
 
 こうして、私は「日本共産党中央委員会科学技術部」の一員になるために、2年間の想い出多き試験場での生活に別れを告げ、鴻巣を去りひとり上京する事になった。
 
鴻風会の盛大な送別会でセンチメンタルな別れの挨拶
 鴻巣試験地の全職員の親睦機関である「鴻風会」が、私のために送別会を開いてくれた。講堂に集まった百余名の職員を前にして、私は極めてセンチメンタルな別れの挨拶をした。
 「2年余にわたり私を育てて下さった鴻巣を去るにあたり感無量です。鴻巣は私にとって第二の故郷、いえ、本当の意味で私の魂の故郷です。鴻巣を離れても、私の青春の日々を暖かく包み育んで下さった鴻巣の地を、私は永遠に忘れないでしょう」
 私が、党の常任になると言う事は、後に残る組織の非公然を守るために、厳重に秘匿されていた。それを知っているのは党内でも極く少数に限られていた。表面上の退職の理由は、大学受験準備のためと言う事になっていた。