前代表社員長崎真人自分史
目次へ 前のページへ 次のページへ
第三部】第七話 築地警察署勾留23日()
 
第7話

 築地警察署は、中央区築地一丁目、中央区のほぼ中央に位置し、銀座・築地・新富町等、東京の最も華やかな地域を管轄する。歌舞伎座・新橋演舞場それにかっての築地小劇場(我が国の新劇発祥の地)も近く、弾圧の歴史を刻む警察署。
 現庁舎は平成5年新築完成、7階建ての威容を誇る近代的なビルだが、私が留置された当時の建物は、戦前からのものではなかったかと思う、外見は鉄筋コンクリートだが、内部は薄暗く古びた造作だった。
 
 築地警察署と聞いて、誰もが思い浮かべるのは小林多喜二の事。プロレタリア文学の最高峰として世界にその名を馳せた「蟹工船」「一九二八年三月十五日」「党生活者」等、数々の優れた作品を書いた小林多喜二は、1933年2月20日、無惨極まる拷問によって、この築地署で命を奪われた。
小林多喜二に関わる話は、後述しよう。