前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第三話 税理士開業秘話()
 
聞きたくなかった後日譚

 数年後、町田に訪ねてこられた、彼の湘南民商創立者の同志(県議になっていた)が、そっと洩らされた事には、例の出世欲の塊が、彼が藤沢支部の事務局長に就任したかったのを、私が妨害したと言って憤慨していたと言う事。事実は全く逆で、私がそんな地位に執着する筈は全くなかったのだが、陰で種々工作したようだった。
 合わせて、私の退職を惜しむ会員が結構いたと言うお話だった。だからと言って組織的に私を排除する必要があるほどの影響力は私にはなかったし、組織に害を与える意思は毛頭なかった。
 


 私より早く税理士資格を取っていた事務局員のほとんどが、意外な事に、間もなく退職して個別に開業した話も伝え聞いた。組織のルールとして、退職・開業を認める事になったとの事だった。だがいずれも、退職後の事務所経営は、余りうまく行っていないようだった。
 一人だけ、組織と密接に連携して、中小企業の経営を守る運動の核になり、事務所経営としても成功した人がいた。彼は、折に触れて私と交流して、永年極めて友好的な関係を維持してきたが、不幸にも先日急逝された。