前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第五話 事務所運営の基本を確立(10)
 


 当時まだ町田支部は設立前で、町田市所在の税理士事務所は八王子支部に所属していたのだが、その八王子支部から10名余の熱心な先輩税理士が、見学に来られたのには驚かされた。いずれも数人の職員を抱えた大事務所の先生方のようで「システムの利用で人員削減の効果はあるか?」なんて質問されたが、わが事務所にとっては1名きりの職員を削減する余地はなかったし、私は全然別な考えを持っていた。
 
事務所運営の基本方針 記帳指導と事務の効率化で何でも相談に主力
 私は、民商時代の自主計算の経験を活かして、テキストを作り講習会を開き、初級簿記の普及に努めた。独自に作成した簡便な売掛金・買掛金等の集計表を推奨し、また夫々の記帳能力に合わせて、経営管理に活かせるような帳票のシステムを個別に工夫して提供した。
 他の会計事務所では、面倒な記帳指導に力を入れるよりも「事務所にお任せ下さい」式のやり方が一般だったようなのだが、持てる限りの知識を惜しまずに提供する私の方式は、大方の歓迎を受け、企業経営としての実力養成に確実に役立ったと自賛している。