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この２年前、朝鮮戦争開始直前に、党中央委員全員の公職追放等、米占領当局による強圧が共産党と民主勢力に加えられたことは前に述べた。先鋭化した東西対立の情勢下で、ソ連・中国両国共産党の干渉もあり、左翼冒険主義路線を採用した徳田・野坂等、党指導部の一部は、両党の援助で「北京機関」を設立し、ここから国内の組織を指導する体制をとった。
やがて党と民青の主要メンバーが次々に「北京機関」に呼び寄せられた。これらの事は全く極秘裡に進行されたので、下部にいた私など全く知りえない事だった。 |
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書記長のＡが姿を消したのは、この年、暮れ迫る頃だったと思う。新婚の細君にも知らせず、ある日突然に帰宅しなくなったと言う。細君が党中央に問い合わせたところ、党の非公然の任務に就いたとだけ知らされたと。民青内部でも触れてはならない話題だった。Ａは、2年後に帰国するまで、北京にできた「党学校」に居たようだった。
私の前任の民主青年新聞の責任者だったＮ、Ａの前任の書記長Ｏ等も、ひそかに日本を脱出して、世界民主青年連盟の役についていたようだったが、これらの事も、正規の組織には全く諮られず、ごく一部の判断で実行された。 |
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