前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第一話 湘南商工会事務局員として「民商攻撃」に直面()
 
 こうした努力による会の関与がなければ、無申告に終わるか、申告漏れになるか、あるいは税務署の一方的な更正や決定に泣かされる恐れもあったかと思えば、自主計算・自主申告のための学習活動は、社会的に極めて有用なものとして評価すべきだと思う。

国税庁長官「民商弾圧方針」声明予告なしの不当調査開始
 昭和38年9月、藤沢税務署は、それまでの会との協定を一方的に破棄し、全署員を投入して突然会員に対する不当調査を開始した。
 不当な調査だと言うのは、ひとつには、会創立以来の税務署との平和裡の交渉で、「調査の事前通知」「事務局員立会いの下での調査」を実施し、何のトラブルもなかった、その長年の慣行を一方的に破棄した事。
 
 根拠のない「反税団体」のレッテルで、一般紙に会を誹謗する宣伝を先行させた事。数ヵ月後には、他署からの応援部隊も加えて数人で、連日、会員の店舗を襲い会からの脱会を執拗に工作した事。
 これは、通常の税務調査のあり方をはるかに逸脱した、異常な政治的弾圧というべきものであった。

 会は、事務局と幹部会員が一致団結して、権力を振りかざしたこの不当攻勢と果敢に戦った。営業妨害の連日の臨店に対し、近所の会員が駆けつけて抗議する一方、平穏な調査なら応じる態度を示したが、署はあくまで事務局員の排除と脱会を求めて、全く妥協の余地を見せなかった。