前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第九話 諸々の社会的活動に参加(つづき)(1011)
 
選挙人名簿総点検の結果驚くべき事態を発見

 当時、市の業務にコンピュータはまだ導入されていなかった。市民部と各支所の窓口で転入転出の受付をし、異動の連絡票を選挙管理委員会に届ける。その中から満20歳以上の人を選んで選挙人名簿に記載する。これらの一連の作業が、すべて手作業で行われていた。
 選挙管理委員会の仕事は、選挙でもなければ暇だろうと言うような、市当局の軽い扱いもあって事務局の陣容も不足していた。マンネリもあった。そんな隙に生じた問題だった。
 
 私は早速、市長に面会し、事の重大さを訴え、必要な人員を派遣してくれるよう手配を要請した。選挙管理委員会事務局の経験者を始め50人ほどの職員が、各支所を分担して職務時間外に10日間ほどかけて、選挙人名簿と住民台帳との照合に当たることになった。
 結果は、驚くべき事だった。100名を超える漏れが発見された。漏れていた有権者に対しては、職員が1件づつ訪問してお詫びした。
 選挙人名簿が是正された事は、直接の成果だったが、それ以上に選挙権の重さを再認識し、選挙管理委員会の職責の軽からざる事を内外に闡明する事になったのは怪我の功名であった。