前代表社員長崎真人自分史
目次へ 前のページへ 次のページへ
第一部】第十八話 野の花は枯れず(10
 
  かってはオランダの支配を受け、鄭成功の支配、清の支配と続き、突然日本に売り渡されて50年、それが一転して国民党の支配下に服する事になり、台湾人民にとっては、目まぐるしく変わる外来の支配者との絶えざる闘いの中で、自己を確立する苦難の歴史であった。
 その課題は今に続く、台湾人民の課題「統一」か「独立」か。中国本土との協調と摩擦の根底に、かって謝雪紅を苦しめた問題が今に続いている。
 自分たちは、中国人なのか台湾人なのか。“台湾人”の存在そのもの、アイデンティティを問う基本的な課題が、歴史の重しとして台湾の人々の背にのしかかっている。
 
日中両国共産党の交流と台湾問題の変遷
  長く続いた日本帝国主義の中国侵略の最中、日本共産党は政党として唯一、侵略反対・戦争反対の旗を高く掲げて戦い、「国賊」「非国民」と謗られ暴虐の限りを尽くした弾圧をうけながら、これに屈せず、日中友好のために数多くの党員が命を捧げた。
 祖国の解放と統一を成し遂げた中国共産党と、日本共産党が最も親密な友情で結ばれた同志として、堅い握手を交わす事になったのは、この血の犠牲の上に立った事であった。
 この事は、両国共産党の友好に留まらず、日本と中国の人民の平和的交流、また国家レベルでの外交関係を築く上で、極めて重要な基本的な前提であった。