前代表社員長崎真人自分史
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第二部】第八話 研究室を出て未知の世界へ()
 
 何も長崎君は全てのラボラトリーがそうであると言っているのではない。にも拘わらずすべてがそうであるかの如き印象をあの全文の構企から受けるのは僕ばかりでもあるまい。とまれ、君が戦う戦いも我々が「ラボラトリーに羊皮紙」を開く間にも、行き方こそ異なれ同じ戦いが行われ得ると言う事が一般に強調されて然るべきであろう。
 人々の夫々生き行く道は異なるけれども各人各人が一つのフィクションを描きつつ人生を生き行くのであって、個性の形成はだからこそ可能になる。もとより失敗もするし悲しみもある。だがその度毎に意識は深くなり経験はつまれて行くのであって、個性の尊厳は各人が各人の人生を有真に生きていくと言う事実の中にあると僕は思う。それ故にこそ協同の力強さも、興味も湧いて来るのだと思う。我々はかかる協同の原理を我々のものとしたい。
“美しき魂”第4号
 
 こんな事を言い交わした、かっての同窓がその後、夫々に歩んだ人生のあり様は相当に異なったものとなった。その人生の分かれ道は何処だったのだろうか?そんな事も思い浮かべながら、どうお読みになるかは読者の夫々の御判断にお任せしたい。
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大原一三君はその後、大蔵官僚を経て宮崎1区から出馬、衆議院議員(当選7回)、第一次橋本内閣の農林水産大臣はじめ、自民党と議会の要職を重ね、数々の提言で政策通として知られたが、2003年勇退。

 私の人生の真実を求める苦闘はまだこれから、次号から始まる第三部「激流に棹さして」では、戦後社会の大きな変動に揉まれながら生き抜いた、青春のエピソードの数々を紹介させて頂きます。どうぞ興味をつないで頂きたいと思います。
第二部終わり