前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第六話 型破りな事務所経営(10111213)
 
10周年記念台湾旅行麗しの島・蓬莱へのお誘い 
 事務所開設10周年を記念して企画した台湾旅行のお誘い文には、次のように書かれている。

 台湾は私が18歳まで過ごした想い出の地です。先日、下検分のため36年ぶりに行って参りました。台北市のめざましい発展には今昔の感を深くしましたが、同時に、想い出のままの変わらぬ南国の風光の美しさ暖かさ、そして現地の友人たちの心のこもった熱烈な歓迎には涙を禁じえませんでした。
 台湾は本当に良いところです。その本当の良さを皆さんに味わって頂きたいと思って、現地の友人たちの全面的な協力を得て作り上げた企画です。ありきたりの団体旅行とは一味もふた味も違った内容で、必ず御満足頂けるでしょう。
 この機会に是非皆様お揃いでおいで下さるようお誘い申上げます。
 
案内役は最高 台湾ガイド協会会長の李先生
 この当時、台湾は国民党政府の戒厳令下にあり、日本人の旅行は解禁されたばかりだった。その上、私には知られたくない密かな心配もあった。皆さんをお誘いする責任上、私は先に下見に行くことにし、同友会副会長のK工業社長K氏に同行頂いた。
 案内役を勤めて下さったのは、父が教員時代の同僚で、戦後、台湾ガイド協会の役員になっておられた李先生だった。先生は台北師範学校を卒業して、父と同じ公学校(台湾人子弟の初等教育機関)の教師をされていた。日本人以上に日本語に堪能で、教養・知識の深さでもまたとない人柄、解説は地理・歴史・博物に及び学術的だった。