前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第六話 型破りな事務所経営(10111213)
 
「こんなひどい話、僕は知らなかった!」韓国「独立記念館」訪問の夜
 「歴史探訪韓国の旅」は、古代から近現代にかけての、浅からぬ日韓交流の歴史を、再認識しようと言う企画だった。経路は、ソウル、利川、水原、民俗村、公州、扶余、独立記念館、慶州、釜山。
 中でも、「独立記念館」は、韓国の青少年にとっては必見の施設だが、日本人観光客は滅多に行かないところ。現地ガイドの女性も「日本人を案内するのは初めて」と言っていた。私は、「歴史探訪の旅」の目玉のひとつにあえてここを選んだ。
 
 広い館内一杯に展示されていたのは、日本が、朝鮮を併合する際に犯した、朝鮮人民に対する暴虐の数々の、極めてリアルな告発だった。予備知識をほとんど持たずに参観させられた、同行の中小企業の社長族には、刺激が強すぎたようだった。

 その夜、ホテルの私の部屋に「先生、俺眠れない」と言って中年の社長の1人が押しかけてきた。「先生、日本はこんなひどい事をしていたのか。知らなかった。でも先生、俺の所為ではないよね。どうしたら良いんだよ、先生」と泣かんばかりに訴えるのだった。