前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第六話 型破りな事務所経営(10111213)
 
台湾山脈を横断 高度3千メートルの峠で立ち往生
 下検分で、予想外のスリルを味わったのは、東海岸の花蓮から八通関を越え、霧社・埔里を経て台中に貫ける、台湾山脈横断の山岳道路でのこと。花蓮でチャーターした乗用車は年代物で、最高地点の峠道でエンストを起こした。
 かって「高山国」と呼ばれた台湾には、3千メートル級の高山が幾重にも連なり、最高峰玉山(日本名・新高山)3952メートルはじめ、富士山よりも高い山が幾つもある。

 花蓮から連続して高度を上げ、ようやく車が最高地点に達した所で、空気が薄くてエンジンの馬力が出ない、車を軽くしたいので皆さん降りて歩いてもらいたいと言う。 一帯は霧に包まれ視界は10メートルそこそこ。
 
足元は道路とは名ばかりの石ころだらけ。人っ子一人いない。200メートルほどを手探りで歩いて、降りに掛かった所で車に復帰できてホッとしたが、危なく遭難するところだった。恐らく戦後日本人でこの道路を通った第一号だったろう。