前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第ニ話 「不惑」にして岐路に立つ(1011)
 
 まず、参考書を買い集め、それを読破する日程を立てた。日程に余裕はないので、参考書のページ数で出来るだけ短い科目を選んだ。

 独学はお手の物だったが、「神経性疲労症候群」が完治してはいなかったので、この危機を乗り切らねば、人生無に帰すと思う覚悟だけ気力だけが頼りだった。

 誤算だったのは、参考書のページ数が少ないと言う事で選んだ相続税が、読み始めてすぐ、民法の知識が必要な事、更に憲法あるいは法律原論に遡る必要がある事に気がつく。
 
そうなると適当に済ませられない性分で、机の上に10冊余を積み上げ、1日300ないし400ページを読破しなければならない羽目になる。

 受験申込みしたのは、相続税のほか、固定資産税、財務諸表論の計3科目。

 直前20日ほどの時、受験雑誌で見た模擬試験を受けに池袋の塾へ行く。それは惨憺たる結果だった。2ヶ月間の勉強が全く受験本位でなかった事を思い知らされた。急遽方針を変えて、受験雑誌の予想問題と、過去の出題集とを片端から当たる事にした。