前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第十五話 悪戦苦闘!職業転々の数年 わが人生最高の体験記
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珍味の数々に驚嘆双十節の祝宴に招かれて

 中国書店のマネージャーとして、日本人としてはただ独り、中華街の双十節の祝宴に招かれました。
 双十節は、中華民国建国に至る辛亥革命が開始された、10月10日を記念する祝日。中国近代化のさきがけとなったこの日は、中国共産党、国民党どちらも、中国人がこぞって祝う、国民共通の建国記念日です。

 中華街の中央にある一番大きな中華飯店の二階の大広間が宴会場。横浜の中国人の主だった人々が50名ほど集う、盛大なお祝いでした。
 
 雅やかな中華音楽の楽隊、唐代の雅楽の流れを汲むのではないかと勝手に想像しましたが、どれもこれも初めて見る、琴、笛、弦楽器、打楽器。楽師は伝統的な衣装であろうか、きらびやかなお揃いの服で身を包み、その演奏する曲は、宮廷の豪奢を感じさせました。
 次から次に運ばれた料理は、恐らく中華街のどの店でも、決して味わうことができない、最高の珍しい料理でした。隣に座った中国人の老人に「これは何でしょうか」と尋ねても「私も初めてで良く判りません」との事でした。
 40数年経た後のことですが、北京・上海・南京・西安等の、中国の主要都市を訪ねる機会を得、夫々の都市で一応最高と言われる料理も口にしましたけれども、この時の珍味には二度とお目にかかる事ができないでいます。